上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.-- -- l スポンサー広告 l top ▲
前回はアメリカの大学の質の高さを紹介しました。
日本とアメリカの国内ランキングで同じ順位にある大学を比べた場合、アメリカの方が倍ぐらいの質を保っているという事が分かったと思います。

とは言え、日本の大学でも東大とか京大とかなら、世界ランキングでも10位とか20位とかにランクインしているため、わざわざアメリカに来なくても、世界レベルの研究に携わることはできます。
大学の質だけを問題にした場合、数は少ないですが日本にもアメリカの大学と同じ程度の大学はあります。

ですが、奨学金等の経済的なサポートを見た場合、日本の大学はアメリカの大学の足元にも及びません。
アメリカの普通の大学が学生に提供しているのと同じ程度の経済的支援を提供している大学は、日本には1校たりとも存在していません
今回はアメリカの充実した奨学制度について紹介したいと思います。


banner2.gif←続きを読む前にクリック!(別窓が開きます)


これは理系の大学院の場合だけに限った話です。
文系の大学院生の場合は、日本よりも厳しい状態になるのが普通らしいです。
ですが優秀な学生は例外的に支援してもらえるようなので、文系の人も参考にしてもらえると思います。
あと、これは博士まで進む人のための話です。
工学系で修士で出て企業に就職しようと思う人は、就職活動を考えると、多少高くても日本の大学院に行く方が結果的には安上がりになると思います。



まず、アメリカの大学院生は基本的に授業料を払いません
全部大学が払ってくれます。

僕の通っている大学の場合、最低限の成績の維持、TAやRAとして仕事をする事を条件として、授業料と毎月の給料が支給されます。
TAというのはティーチング・アシスタントと言って、学生実験の手伝いや授業の手伝いです。
これは実験系の学部なら人手が必要なので、まずあぶれることなくもらえます。
RAというのはリサーチ・アシスタントと言って、研究の手伝いによって指導教官から貰う給料のことです。
手伝いと言っても、自分の学位の為に研究するだけです。

これらの仕事によって、月1000ドルから2000ドル程度の給料がもらえます。
その地域の物価や大学の予算にもよりますが、まず普通に学生として生活する分には問題ない程度の給料が貰えるわけです。

ここで注意しておきたいのは、TAやRAの仕事は日本の大学院でもしなければならない仕事だという事です。
日本の学部でも実験の授業はあるし、院生はそれを手伝う必要があります。
研究も当然です。
それをアメリカの大学院でやると、授業料を払わなくてよくなるし、給料が貰えるのです。
にわかには信じられないぐらいうまい話ですが、本当です。

ただ、給料を貰うわけですから、やらなくてはならない仕事の質は高くなります。
学生実験のTAの場合、立場としては完全に教授と同じで、担当の学生に講義をしないといけません。
10数人の学生を指導してレポートを採点します。
その上で、指導の内容が悪いとTAをする権利を剥奪されてしまう事があります。
非常に重い責任を負わされるわけです。

RAも同じで、要するに、若く経験が不足しているだけで、扱いとしては研究者なので、使えない奴と思われたらRAは貰えません。
給料を払う価値のある研究ができる学生にだけ、給料が払われるのです。
RAが貰えない場合はずっとTAをやらないといけなくなります。

まあ、研究室によってはそもそも給料を払う予算が無くてTAをやってもらう場合もありますが。
特に理論系の場合はそういう事が多いようです。
なので、指導教官を選ぶ場合は研究室がどれだけお金を持っているかも重要になります。
気をつけましょうね。

このように、アメリカで院生をやるのは、日本の大学でやるよりもずっと厳しいです。
逆に言うと、これだけの事がこなせないなら、アメリカの大学院には入学できないという事です。
ですが、入学できたなら、それだけの事ができると大学が認めたということなので、普通はこなせます。
なのでそんなに心配する必要は無いです。



具体例として僕の場合を紹介します。
僕は入学以来、秋学期、春学期とTAを貰って、この夏はRAとして働く事になっています。
夏の間は特別な奨学金が出て、真面目に研究すれば給料が倍になるそうです。
給料は保険金を引いて月1550ドルで、家賃は500ドル、生活費が250ドルぐらいなので、余裕で生活できます。
家賃はキャンパスの外で部屋を借りたり、ルームシェアをすれば300ドルぐらいにはなります。
税金は学生なので控除されます。
授業料は1セントも払っていませんが、図書館、大学生協、スポーツジム等の利用料として毎学期ごとに1000ドルほど払う必要があります。
授業で使う本を買ったり、正月は日本に帰ったりしましたが、手元にはそこそこの金額が残っています。
そろそろ中古で軽自動車の一台も買いたいです。

TAの仕事の内容ですが、僕は英語ができなかったせいもあって、授業は受け持たず、試薬室の管理をしました。
扉の近くのイスに座って、時々、試薬や壊したガラス器具の換えを学生に渡したり、提出されたレポートを仕分けして担当TAのボックスへ入れるだけの、簡単な仕事でした。
別に誰に見られているわけでもないので、特に仕事が無い時は自由に勉強していられました。
実質、仕事をしている時間は週3時間ほどで、時給に直すと100ドルぐらいです。
とてもオイシイ仕事でした。

実験を担当するTAはもっとずっと大変で、週7時間ほど講義をしなければならず、その予習やレポートの採点で合計20時間ほどを使わないといけないそうです。
それも慣れてくれば、ずっと少ない時間でこなせるようになるらしいです。
それに学部生は普通アメリカ市民で英語のネイティブ・スピーカーです。
タダできわめて実践的な英会話教室に通っているとでも思えばいいでしょう。
なんと言ってもあなたは”先生”なわけですから、たとえ英語ができなくてもそれなりに敬意を持って接してくれます。
まあ、アメリカの基準で、ではありますが。



さて、では最後に日本の大学院で博士をとった場合とアメリカの大学院で博士をとった場合とで、どれだけ経済的に違ってくるかを具体的に計算してみましょう。

まず授業料についてです。
日本の国立大学の場合は毎年50万円ぐらいでしょう。
これからどんどん値上がりして、下がることはないでしょうが、ひとまず50万円としておきます。
私立大学の場合は少し高くなるみたいですが、とりあえず80万円ぐらいかかるとします。
入学金に25万円ぐらいかかるとします。
アメリカの大学院の場合、大学が払ってくれるので授業料は0円です。
入学金はよく知りませんが僕の場合は0円でした。
でも施設利用料が少しかかるかもしれないので、年2000ドルは見積もっておきます。
1ドル110円として計算して、22万円です。
これが博士卒業までの5年間必要になります。

授業料
日本 275~425万円
アメリカ 110万円

次に生活費です。
日本では地方か都心かでかなり違うでしょうが、安くて月5万円、高くて10万円としておきます。
アメリカでは物価は安いですが家賃が高いので日本と変わらないぐらいだとしておきます。
これが5年分です。

授業料+生活費
日本 575~1025万円
アメリカ 410~710万円

これらの額をどうにかして用意しないといけません。
日本の大学院の場合、授業料は普通、日本育英会から無利子、有利子でお金を借りて払い、卒業後に働いて返します。
つまり教育ローンを組みます。
奨学金と名前が付いていますが、これは教育ローンです。
大学院生の場合月8万円ほど借りられるようなので、学費に充てた残りは生活費に回せますが、これだけでは足りません。
アルバイトをするか親の脛を齧るかしなくてはいけません。

一方アメリカの大学院ではTA、RAの仕事によってこれらのすべてが賄えます。
月当たりの給料は大学の予算によってだいぶ違いますが、多くて2000ドル、少なくて1000ドルです。平均1500ドルだと考えると、5年間で990万円の収入なので、まず問題ありません。
それどころか300万円近く余ります。

問題はそれらの仕事に必要な時間です。
RAは自分の研究をやるだけなので計算に入れる必要は無いですが、TAは講義を受け持つことになるので大変な負担になります。
調度いい英語の練習になるだとか、学生を教えることは学会発表等でのプレゼンテーション能力の向上につながるとか、言いようはいくらでもありますが、手間は手間なのでしっかりとコストとして計算します。
4回TAをやったとすると、1週間で20時間必要なのですから、1セメスターは4ヶ月なので合計1280時間必要になります。

これらの時間を日本でアルバイトに充てたとすると、時給750円から3000円程度の仕事をしたとして、96万円から384万円の収入になります。
平均1500円として、192万円の収入です。
日本の大学でも予算が沢山ある大学はTAに給料を払うようですが、時給1500円は越えないでしょうからその収入はここに含みます。
時給が悪ければ悪いほど、考えに入れていない労働時間は多くなります。

それではこれらの収支をとって見ます。




 出費  TA、RA収入  必要な時間  その時間分のバイト収入  収支 
日本
最大1025万円384万円-641万円
平均800万円192万円-608万円
最小575万円96万円-479万円
アメリカ
最大710万円1320万円1280時間610万円
平均560万円990万円1280時間430万円
最小 410万円660万円1280時間250万円




こういう結果になりました。
日本の大学院を卒業した時点で、平均600万円ほどの借金が残り、アメリカだと430万円ほどの預金が残るということです。
つまり、日本の大学院に通うと平均して1000万円ほどの損ということになります。
これだけ違うと、どうしてもアメリカの大学院に行けなかったら、苦渋の選択として日本の大学院に行くのが普通な気がします。
こういう現状が正しく伝わっていけば、実際にそうなるでしょう。

ちなみに、僕の通っている大学には1学年30人ほどの院生が居ますが、TA、RAの別、成績が悪くて博士課程に進めず修士で卒業、などの違いはありますが、大学に学費を納めた上にタダ働きさせられている人は1人も居ません。
経済的には全員がこのような支援を受けています。
なので、もしあなたが日本の院生で、ひょんな事からアメリカの院生と授業料の話になったら気をつけないといけません。
アルバイトをして大学に授業料を納めているなんて言ったら、見たこともないような劣等生だと思われる可能性があります。
日本とアメリカでは院生の待遇が天と地ほどの差があるという事をまず説明するようにしてください。



これでいかに日本の院生の待遇が悪いか分かったでしょう。
こういう現状を目の当たりにすると、とてもじゃないですが日本の大学院になんて行きたくないと思います。
生活のため、というだけでも十分に日本ではなくアメリカを選ぶ理由になりえます。

前回までの話をまとめると、

同じレベルの大学を選ぶならアメリカには日本と比べて10倍の選択肢があって、
しかも同じように勉強しているだけで1000万円ほど得する


わけです。
日本の大学院に進む理由が何かありますか?

実際に、日本に居たころに出た学会でよその大学の先生が講演中に、「この結果を出した優秀な学生が、うちでも同じレベルの研究ができるのに、アメリカに行くって言ってきかないんだよ」とボヤいてました。
もしあなたが研究室内で将来を有望視されている優秀な学生であるなら、待遇の良さを理由にアメリカの大学へ移れば、確実に教授陣に影響を与えることができます。
そういう学生がどんどん増えれば、教授陣も対策しなければならなくなります。
税金をもっと教育に使うように国に働きかけてくれて、日本の院生の待遇も良くなるかもしれません。



後輩を救うためにも、アメリカの大学へ留学しましょう。
あなたの選択が確実に世界を変えていきます。



banner2.gif←クリック一回でやる気の出る人が居ます



関連記事
アメリカ留学のすすめ1~大学の質について~
僕はこうしてアメリカの大学院に合格した~アメリカ理系大学院合格体験記~


2008年5月21日初出
2008年6月5日 修正

スポンサーサイト

2008.05.21 Wed l 人に読んでほしい記事 l COM(0) TB(1) l top ▲

コメント

コメントの投稿












        http:// , @は禁止ワードです

トラックバック

トラックバックURL
→http://iwanttobefamous.blog118.fc2.com/tb.php/254-865d64a7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
奨学制度 をサーチエンジンで検索し情報を集めてみると…
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。